池袋相続相談室

相続税対策

相続税の節税対策

1. 生前贈与を中心とした相続税の節税のための対策
2. 生命保険による相続税納税資金対策
3. 不動産による相続税節税対策
4. その他の相続税節税対策

 
1. 生前贈与を中心とした相続税の節税のための対策
連年贈与を利用した相続税対策

これは贈与税の基礎控除額である110万円の枠を利用して、毎年複数の法定相続人に対して贈与をする方法です。
 贈与する資産は現金でも株式でも土地でも構いません。 年間110万円以内であれば税金はかかりませんので、長く行えば一番効果を発揮する対策となるでしょう。 ただし、毎年一人あたり110万円という縛りがありますので、毎年行うことが大切となります。

注意点
よく「毎年同じ金額の現金贈与を繰り返し行うと各年の贈与としては税務署が認めない。 だから贈与する金額は毎年変えた方がよい」という方がいますが、そんなことはありません。 毎年の贈与金額が同額でも、それだけを理由に贈与を認めないことはありません。 「今後10年間、毎年100万円づつ贈与する。」と事前に約束して行われる贈与は、約束時点における一括贈与とされる恐れがありますが、その年ごとに贈与の意思決定が行われ、その年ごと に贈与が完結(贈与者と受像者の意思確認と、贈与の実行)していれば、その年ごとの独立した贈与であり、何ら課税上問題はありません。

用意したい資料及び手続き(毎年)
1. 贈与契約書の作成
2. 不動産の場合は登記名義の変更
3. 贈与の申告書の作成
4.現金贈与の場合は受贈者の口座に送金し、記録を残しましょう。

配偶者控除を利用した相続税対策

 相続税において配偶者が優遇されたのと同じように贈与税においても一定の条件を満たすことによって配偶者が優遇される制度があります。 配偶者に対して居住用の財産を贈与した場合には2,000万円まで贈与税が無税になる制度です。
上手く利用すれば贈与税の基礎控除と合わせて2,110万円まで贈与税が課税されないことになります。
 また、相続開始前3年以内に贈与された財産はみなし相続財産となってしまいますが、この配偶者控除を受けた場合だとみなし相続財産とはならないとされています。
 なお、配偶者控除を利用するには以下の条件を満たす必要があります。

1. 婚姻期間が20年以上である配偶者への贈与であること
2. 贈与した財産が居住用の財産、あるいは居住用の財産を購入するための金銭であること
3. 居住用の財産の贈与である場合は翌年3月15日までに居住し、その後も引き続き居住する見込みがあること
4. 今までに、その配偶者からの贈与について配偶者控除を受けていないこと
5. 贈与税の申告をすること

どの財産を贈与すべきか? 贈与する財産として考えられるのは土地のみ、建物のみ、土地と建物の両方ですが、建物は時間が経てば価値が下がりますので、土地のみの贈与する のが1番いいでしょう。
 また、贈与する財産が高額である場合には2,110万円分の持分を贈与することが可能です。

※居住用財産を近いうちに売却する予定がある場合には土地と建物の両方を一部ずつ贈与する方が有利です。
居住用財産を売却する場合、土地と建物の両方を持っていれば所得税の3,000万円の特別控除が認められます。 これを利用しつつ、土地と建物の一部を配偶者に贈与して、共有状態の土地と建物を売却すれば、2人分を合わせて6,000万円の特別控除が認められることにな ります。

相続時清算課税制度について

 連年贈与を利用した相続税対策」のところで解説しましたが、1年間で110万円までの贈与が贈与税の非課税枠になります。 しかし、今回施行された「相続時清算課税制度」を利用すると、通常のケースでも2,500万円までの贈与が非課税になり、さらに、住宅取得資金であれば3,500万円までの贈与が非課税になります。 ただし「相続時清算課税制度」という名前の通り、この制度を利用して贈与した分に関しては相続時に相続財産 の中に含まれ再度税額を計算されることになりますので、贈与時には非課税な場合であっても、実際には相続時に税金が課税される場合があります。 要するに贈与する以前の状態で、相続税がかかるような財産をお持ちの方だと新制度を利用して財産を贈与しても単純に贈与税が非課税になるわけではありません。
 上記のことから相続税がかからない場合であれば問題なく新制度を利用することができますので、新制度の非課税枠を利用して生前贈与を行い、相続を円満に完了させることができます。 要するに、従来の円満な相続を実現させる手段としては遺言を書くということが一般的な方法でしたが、遺言があっても相続時に トラブルにならないとは言えませんので、新制度を利用して生前贈与を行い、実際に相続が起きる前に相続財産の分配手続きを完了させてしまうことで、相続での争いを回避することができることになります。
 さて、前項でも解説しましたが、相続時清算課税制度は相続税を回避する手段としは原則として利用することはできません。 ただ、いくつかのケースでは相続時清算課税制度を利用したことが相続税の節税対策につながる場合もあります。 ここからは相続時清算課税制度を節税対策として利用する場合の可能性について連年贈与との比較を交えながら解説をしていくことにします。まず、実際に相続が起きるまでに時間がない場合には、相続時清算課税制度や連年贈与などを利用しても、相続税の節税対策にはなりません。 例えば、連年贈与などの贈与を行っても3年以内の分に関しては、相続財産に加えて計算しなければなりませんので、相続税の節税対策にはなりません。 また、相続時清算課税制度も生前贈与することによって相続の際のトラブルを避けることはできますが、贈与した分に関しては相続時に相続財産の中に含まれ再計算されますので、相続税の節税にはなりません。 しかし、被相続人が健在で相続が起きるまでに時間がある場合には、いくつかの方法が考えられます。 まず1つ目は、収益があるような財産を贈与する方法で、駐車場やマンションのように持っているだけで収益がある財産を贈与する方法です。 この場合には贈与した後は贈与を受けた人が収入を得ることができますので、相続が起きるまでの間の収益分を節税できる可能性があります。 2つ目は、将来値上がりしそうな相続財産を贈与する方法です。 例えば、開発が進んでいる地域の土地や、もうすぐ上場しそうな会社の株式などです。 相続時清算課税制度は贈与時の価格を基準に贈与税を計算することになりますので、相続時に贈与された財産の価値が上がると、その差額分だけ相続 税を節税することができます。 要するに、贈与された財産が相続時までに価値が上がるような財産だとその差額分を節税できるということになります。 さて、いくつか例を挙げてはみましたが、収益がある財産の贈与を受けても、収益分のみの節税になりますので多額の節税対策にはなりませんし、贈与さ れた財産が相続時までに価値が上がるかどうかは不確実ですので、必ず相続税の節税になるとは言えません。 それに対して、連年贈与を利用し毎年110万円の非課税枠を使って贈与をしていけば、その分に関しては確実に相続財産を減らしていくことができますし、贈与する年数を多く重ねることで確実に相続税の節税対策になりますので、実際の節税対策としては連年贈与の方が有効な節税対策だと言えるでしょう。 なお、相続税の有無にかかわらず相続時清算課税制度を実際に利用する場合には、所有している財産や贈与しようとする財産についてなど細かい状況について専門的な判断をした上で手続きを進めていく必要がありますので、実際に相続時清算課税制度を検討する場合には、事前に税理士などの専門家に相談をして手続きをすることをお勧めいたします。

注意点
相続時精算課税制度を適用を受ける場合には以下の条件が必要です。
 1.贈与者は満65歳以上であること
 2.受贈者は満20歳以上である推定相続人(代襲相続を含みます。)
 3.適用を受ける場合には、贈与を受けた年の翌年3月15日までに税務署へ「相続時精算課税制度」を適用する旨の届出が必要
 4.最初の贈与の際に税務署へ「相続時精算課税制度」を届出れば相続時まで本制度の適用が継続される。
 5.受贈者である兄弟姉妹が別々に、贈与者である父・母ごとに選択可能

税額の計算
1.財産価額から控除する金額
   特別控除額2500万円
  (前年までに特別控除額を使用した場合には、2500万円から既に使用した額を控除した金額が特別控除額となります。)

2.税率
  特別控除額を超えた部分に対して一律20%の税率