税理士法人とどろき会計事務所

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新公益法人制度



第5回「公益社団法人・公益財団法人の認定」
税理士法人とどろき会計事務所
千葉 雅司

1.概要
 新たな公益法人制度においては、一般社団法人・一般財団法人が行政庁に公益認定を申請し(特例民法法人は公益法人移行申請)、公益認定等委員会への諮問などの手続を経て公益認定が得られる仕組みとされました。

2.公益認定を受けるメリット
 公益認定を受けると「公益社団法人」「公益財団法人」を付した名称を使用することになり、社会的評価が高まるだけでなく、税法上の優遇措置を受けることもできます。
 反対に、公益認定が受けられないと、社会的評価が低下し、これまでよりも課税比率が高まることとなります。このことは、とりわけ既存の民法上の公益法人(特例民法法人)にとって深刻な問題となります。公益認定が受けられないこととなると、地方自治体からの職員派遣や補助金、公的施設の使用料減免など、従来受けてきた優遇・支援措置がなくなってしまう恐れがあります。それどころか、公益認定が得られないとなると、これまでの活動にも疑問を持たれ、法人の社会的な存在意義が否定されてしまう恐れすらあります。
 ただし、公益認定のハードルは低くありません。無理に公益認定を目指さなくても、非営利事業を中心に行う限りにおいては、「非営利型一般社団・財団法人」という扱いを受ける道も開かれており、この場合は所得の一定部分について非課税という取扱いを受けることができます。

3.公益認定の基準
 公益認定の基準として、以下の18の要件が定められています。公益認定を受けるためにはこれらを全てクリアする必要があります。

【1】公益目的事業を行なうことを主たる目的とするものであること
【2】 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎および技術的能力を有するものであること
【3】 社員、評議員、理事、監事、使用人その他法人の関係者に対し特別の利益を与えないこと。
【4】その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでないこと。
【5】 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
【6】その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。
【7】 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
【8】その事業活動を行うに当たり、規定する公益目的事業比率が100分の50以上となると見込まれるものであること。
【9】その事業活動を行うに当たり、規定する遊休財産額が決められた制限を超えないと見込まれるものであること。
【10】各理事について、当該理事及びその配偶者又は3親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること。監事についても、同様とするものであること。
【11】 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること。監事についても、同様とするものであること。
【12】 会計監査人を置いているものであること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでないこと。
【13】その理事、監事及び評議員に対する報酬等について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。
【14】 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。
 (1) 社員の資格の得喪に関して、不当に差別的な取扱いをする条件がないこと。
 (2) 社員総会において行使できる議決権の数、や条件等に定款の定めがある場合 には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。
 ア. 社員の議決権に関して、不当に差別的な取扱いをしない。
 イ. 社員の議決権に関して、会費等に応じて票などに差をつけない。
 (3) 理事会を置いているものであること。
【15】 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでないこと。
【16】 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。
【17】 公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、規定する公益目的取得財産残額があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人等に贈与する旨を定款で定めているものであること。
【18】清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人等に帰属させる旨を定款で定めているものであること。

3.公益認定の申請手続
手続の流れは概略として以下の通りとなります。

《事前準備》・・・公益認定の基準を満たすような事業・財務の見直し
         定款の変更の案についての正式な意思決定(社員総会の決議など)
     ↓
《認定の申請》・・・以下の書類を行政庁へ提出
 (1)申請書類
 (2)定款及び定款変更の案
 (3) 事業計画書、収支予算書、財産目録、貸借対照表その他の財務書類
 (4) 役員の報酬支給の基準
 (5) その他
     ↓
《 審 査 》・・・旧主務官庁、許認可等行政機関などに対する意見聴取
        主務官庁、行政機関などの意見
        公益認定等委員会(都道府県は合議制の機関)に諮問
        答申
     ↓
《 認 定 》又は《 不 認 定 》


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